「良い仕事だったと思うけど、英語でどう伝えればいい?」「改善点を言ったら角が立ちそうで言えない」——英語でフィードバックするたびに迷うエンジニアは多い。
グローバルチームでフィードバックをやりとりしてきた経験から言うと、英語フィードバックに必要なのは「高い英語力」ではない。ポジティブ・改善提案・受け取りの「型」さえ覚えれば、誰でも建設的なフィードバックができる。
この記事では、エンジニアが実務で使える英語フィードバックフレーズ30選をシーン別に解説する。褒め方から改善提案・受け取り方まで完全網羅した。
型を持てば、英語フィードバックは怖くない。
エンジニアが英語フィードバックで困る3つの場面
英語フィードバックが難しいのは、「相手との関係を壊したくない」という心理的ハードルがあるからだ。まず3つの典型的な困りごとを確認しよう。
場面①:良い点を英語でどう伝えればいいかわからない
「Good job!」しか言えないエンジニアは多い。しかし漠然とした褒め言葉は、相手に「何が良かったのか」が伝わらない。
具体的に何が良かったかをセットで伝えることで、フィードバックの質が一気に上がる。
場面②:改善点を角が立たない英語で言えない
日本人エンジニアが最も苦手とするのが、改善点を伝える場面だ。直接的に言いすぎると相手を傷つけ、遠回しすぎると伝わらない。
「批判」ではなく「提案」として伝えるフレーズを使うことが大切だ。
場面③:フィードバックを受け取ったとき何と返せばいいかわからない
改善を指摘されたとき、「はい」しか言えなくなるエンジニアは少なくない。感謝・承諾・確認・反論を状況に合わせて使い分けることで、プロらしい受け取り方ができる。
ポジティブフィードバックフレーズ10選
良い点を伝えるときは「何が」「なぜ」良かったかを具体的に添えよう。漠然とした褒め言葉よりも、相手の行動・成果に言及したフィードバックのほうが信頼感が生まれる。
成果・仕事ぶりを褒めるフレーズ
① Great work on [タスク名/プロジェクト名]. It made a real difference.
([タスク名/プロジェクト名]、素晴らしい仕事でした。大きな違いを生みました。)
② I really appreciated how you [具体的な行動]. It helped the team a lot.
([具体的な行動]してくれて本当に助かりました。チームにとって大きな助けになりました。)
③ You handled [状況] really well. That wasn’t easy.
([状況]への対応が素晴らしかったです。簡単ではなかったはずです。)
④ I was impressed by the quality of [成果物]. Well done.
([成果物]のクオリティには感銘を受けました。よくやってくれました。)
⑤ Thanks for stepping up on [タスク名]. Your effort didn’t go unnoticed.
([タスク名]で率先して動いてくれてありがとうございます。あなたの努力はしっかり見ています。)
コードレビューで良い点を伝えるフレーズ
⑥ This is a clean implementation. Easy to read and maintain.
(綺麗な実装です。読みやすく、メンテナンスしやすい。)
⑦ I love how you [具体的なアプローチ]. That’s a smart solution.
([具体的なアプローチ]のやり方、いいですね。スマートな解決策です。)
⑧ The test coverage here is solid. Good thinking.
(ここのテストカバレッジはしっかりしていますね。よく考えられています。)
⑨ This refactoring makes the code much more readable. Nice work.
(このリファクタリングでコードがかなり読みやすくなりました。よくやってくれました。)
⑩ You caught an edge case I would have missed. Sharp eye.
(私が見落としていたエッジケースを見つけてくれました。鋭いですね。)
コードレビューでポジティブフィードバックをさらに活用したい方は、英語コードレビューの進め方も参考にしてほしい。
改善提案フレーズ10選
改善点を伝えるときは「批判」ではなく「提案」として出すのが鉄則だ。「あなたが悪い」ではなく「こうするともっとよくなる」という視点で伝えよう。
角が立たない改善点の伝え方フレーズ
⑪ One thing I’d suggest is [改善点]. It might make [効果].
(一つ提案があるとすれば[改善点]です。[効果]につながるかもしれません。)
⑫ Have you considered [代替案]? It could be worth exploring.
([代替案]を検討したことはありますか?試してみる価値があるかもしれません。)
⑬ I wonder if [改善点] would be a better approach here.
(ここでは[改善点]のほうがよいアプローチかもと思いました。)
⑭ This works, but I think [改善点] might improve performance.
(動いていますが、[改善点]でパフォーマンスが上がるかもしれません。)
⑮ Just a minor suggestion — [改善点]. Take it or leave it.
(小さな提案なのですが——[改善点]。参考程度に聞いてください。)
代替案・別アプローチを提案するフレーズ
⑯ What if we tried [代替案] instead? Might be simpler.
(代わりに[代替案]を試してみるのはどうでしょう?もう少しシンプルになるかもしれません。)
⑰ I’d be happy to pair on this if you want a second opinion.
(別の視点が必要なら、一緒に取り組みますよ。)
⑱ The logic here is a bit hard to follow — could we add a comment to explain it?
(ここのロジックが少しわかりにくいです。説明コメントを追加できますか?)
⑲ This might cause [問題] in edge cases. Worth adding a test?
(エッジケースで[問題]が起きるかもしれません。テストを追加する価値があるかも。)
⑳ This is a nit, but [細かい指摘]. Up to you.
(細かいことですが、[細かい指摘]。あなたの判断に任せます。)
改善提案を受け取ったときの返し方を学びたい方は、英語コードレビューへの返し方も参考にしてほしい。
フィードバックを受け取るフレーズ10選
フィードバックを受け取るときは、まず感謝を伝えることが大切だ。同意・確認・反論の場面ごとに使い分けよう。
感謝・承諾の返し方フレーズ
㉑ Thanks for the feedback. I’ll take that into account.
(フィードバックありがとうございます。参考にします。)
㉒ Good point. I’ll update it.
(おっしゃる通りです。修正します。)
㉓ I appreciate you taking the time to review this thoroughly.
(丁寧にレビューしていただいてありがとうございます。)
㉔ That’s a fair point — I hadn’t thought of that.
(その視点はなかったです。おっしゃる通りです。)
㉕ Thanks for pointing that out. I’ll fix it right away.
(指摘してくれてありがとうございます。すぐに修正します。)
確認・反論を丁寧に伝えるフレーズ
㉖ Could you clarify what you mean by [指摘点]? I want to make sure I understand.
([指摘点]についてもう少し教えていただけますか?正確に理解したいので。)
㉗ I see your point, but I went with [現在の実装] because [理由].
(おっしゃる点はわかりますが、[理由]のため[現在の実装]にしました。)
㉘ That’s a valid concern. Can we discuss the trade-offs?
(それは正当な懸念です。トレードオフについて話し合えますか?)
㉙ I’m not sure I fully agree — could we dig into this together?
(完全には同意しかねる部分があります。一緒に掘り下げてみませんか?)
㉚ Let me look into that and get back to you.
(調べてから改めてご連絡します。)
1on1でフィードバックをやりとりするフレーズをさらに増やしたい方は、英語1on1ミーティングの進め方も合わせて読んでほしい。
英語フィードバックをうまく伝える3つのコツ
フレーズを覚えるだけでなく、フィードバックの伝え方の原則も押さえておこう。
事実ベースで伝える(感情・評価を避ける)
「あなたのコードは読みにくい」という評価ではなく、「この関数は処理が長く、分割すると読みやすくなる」という事実で伝えるのが基本だ。感情や主観を排除し、具体的な行動・成果・影響に絞って話すことで、相手も受け取りやすくなる。
改善点は「提案」として出す
“You should…” より “I’d suggest…” のほうが格段に柔らかく伝わる。”What if we tried…?” や “Have you considered…?” など、疑問形を使うと相手に選択の余地を与えられる。
「命令」ではなく「提案」として出すことで、相手の主体性を尊重したフィードバックになる。
フィードバックはその場で完結させる
「後でまとめて言おう」と溜め込むほど、フィードバックは重くなる。気づいたタイミングで、小さく・具体的に伝える習慣をつけよう。
PRコメントやスタンドアップの場など、日常の中でさっと伝えることが関係を壊さないコツだ。
英語フィードバックのやりとりを実践練習したい方は、ITエンジニアにおすすめのオンライン英会話5選でロールプレイを試してほしい。
ペアプロ中にナビゲーターとして改善提案を伝えるフレーズをさらに増やしたい方は、エンジニアの英語ペアプロ術も参考にしてほしい。
評価面談で自己アピールや昇進相談を英語で伝えたい方は、エンジニアの英語キャリア相談術も合わせて確認しておこう。
スプリントレトロでKeepやProblemを英語で伝えるフレーズをさらに深掘りしたい方は、エンジニアの英語レトロスペクティブ術も参考にしてほしい。
スプリントレビューのQ&Aでフィードバックを英語で受け取るフレーズは、エンジニアの英語スプリントレビュー術も活用してほしい。
メンタリングセッションで観察に基づく成長フィードバックを英語で伝えたい方は、エンジニアの英語メンタリング術も活用してほしい。
まとめ:英語フィードバックは「型」を覚えれば怖くない
英語フィードバックは「完璧な英語」ではなく「型と視点」で成立する。この記事で紹介したフレーズ30選を使えば、ポジティブ・改善提案・受け取りのすべての場面で自信を持って対応できる。
今日からできることをまとめる。
- 褒めるときは “Great work on [タスク名]. It made a real difference.” で具体的に伝える
- 改善提案は “One thing I’d suggest is…” や “Have you considered…?” で柔らかく出す
- 受け取るときは “Thanks for the feedback. I’ll take that into account.” で丁寧に返す
- 反論するときは “I see your point, but…” で相手の意見を認めてから話す
型を持てば、英語フィードバックは怖くない。フレーズを1つずつ実際のレビューや1on1で使い、自分のものにしていこう。


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