英語でスプリントレトロスペクティブを進めるよう求められたとき、何をどの順番で記録すればチームの改善につながるか迷った経験はないだろうか。
スプリントレトロスペクティブ(Sprint Retrospective)はスプリントの終わりにチームの働き方を振り返り、次のスプリントで改善するための会議だ。KPT・振り返りサマリー・アクションアイテム・チェックイン確認の4つの構成要素を押さえれば、英語でも問題なく進められる。
この記事では、英語スプリントレトロスペクティブに必要な4つの構成要素と、そのまま使える日英テンプレートを紹介する。コピペして使えばすぐに次のレトロスペクティブで活用できる。
スプリントレトロスペクティブに必要な4つの構成要素
スプリントレトロスペクティブはスプリントの最後のイベントで、スプリントレビューの後に行う。「何が良かったか」「何が問題だったか」「次に何を改善するか」の3点を全員で確認する。以下の4つが実務で使いやすい構成要素になる。
- KPT振り返り(Keep / Problem / Try)
- 振り返りサマリー(Retrospective Summary)
- アクションアイテム(Action Items)
- 前回アクションのチェックイン(Previous Action Check-in)
レトロスペクティブとスプリントレビューの違い
スプリントレビューはプロダクトの成果をPOやステークホルダーに確認する場だ。レトロスペクティブはチームの働き方・プロセス・コラボレーションを振り返るチーム内の場だ。成果物ではなく「どのように働いたか」に焦点を当てる。
なぜ英語で書くのか
グローバルチームでは、レトロスペクティブの議事録を英語で残すことで、異なるタイムゾーンのメンバーも非同期で内容を確認できる。アクションアイテムの担当・期限を英語で明記することで、会議に参加できなかったメンバーにも責任が伝わる。
スプリントゴールとの連携は英語スプリントゴールの書き方でも確認してほしい。
テンプレートをダウンロード(Word)
以下のWordファイルをダウンロードして、プロジェクトに合わせてカスタマイズして使ってほしい。表の列・行はそのまま追加・削除できる。
📥 日本語テンプレートをダウンロード(Word)
📥 Download English Template (Word)
日本語版テンプレート(コピペOK)
基本情報
| 項目 | 内容 |
| スプリント番号 | (例:Sprint 45) |
| 期間 | (例:2026年9月15日〜9月26日) |
| ファシリテーター | (例:田中) |
| 参加者 | (例:田中・佐藤・鈴木・山田) |
| 実施日時 | (例:2026年9月26日 17:00〜18:00) |
KPT振り返り
Keep(続けること)
| No. | 内容 | 提案者 |
| 1 | (例:デイリースタンドアップを15分以内に終わらせる運用が定着した。全員が前日の完了タスクとブロッカーを簡潔に共有できている) | (例:田中) |
| 2 | (例:PRのレビュー依頼にテンプレートを使うようにしてから、レビュアーがコンテキストを素早く把握できるようになった) | (例:佐藤) |
| 3 | (例:スプリント開始時のキャパシティ計画で不在日を全員で確認する運用により、計画の超過が減った) | (例:鈴木) |
Problem(問題・やめること)
| No. | 内容 | 提案者 |
| 1 | (例:スプリント後半にテスト工数が集中し、QAのボトルネックが毎回発生している。スプリント前半にテスト可能な状態にする設計が必要) | (例:鈴木) |
| 2 | (例:バックログリファインメントの参加率が低く、スプリント計画会議で見積もりの根拠が共有されていないケースがある) | (例:山田) |
| 3 | (例:Slackの #general チャンネルへの通知が多すぎて、重要な情報が流れてしまっている) | (例:佐藤) |
Try(次のスプリントで試すこと)
| No. | 内容 | 提案者 |
| 1 | (例:各ストーリーにQAチェックポイントを設け、スプリント中盤(5日目)までにテスト可能な状態にするルールを試す) | (例:鈴木) |
| 2 | (例:バックログリファインメントの前日にアジェンダを共有し、参加率を上げるよう働きかける) | (例:田中) |
| 3 | (例:Slackのチャンネル構成を見直し、重要な通知は #dev-alerts に集約する) | (例:山田) |
振り返りサマリー
| 項目 | 内容 |
| スプリントの一言評価 | (例:計画の精度は上がったが、QAのボトルネックが課題として残った) |
| チームの状態(1〜5) | (例:4 — 全員がゴールを理解しており、コラボレーションは良好) |
| 今スプリントの最大の学び | (例:テストを後半に集中させる設計は計画段階から見直す必要がある) |
アクションアイテム
| No. | アクション | 担当者 | 期限 | 優先度 |
| 1 | (例:各ストーリーにQAチェックポイント列をJiraに追加し、Sprint 46から運用開始) | (例:鈴木) | (例:9/30) | (例:高) |
| 2 | (例:バックログリファインメント前日(火曜日)にアジェンダをSlackで共有する運用を開始) | (例:田中) | (例:次回リファインメントから) | (例:中) |
| 3 | (例:Slackチャンネル構成案を作成し、チームに提案) | (例:山田) | (例:10/2) | (例:中) |
前回アクションのチェックイン
| 前回のアクション | 担当者 | 完了/未完了 | コメント |
| (例:PRテンプレートの導入) | (例:佐藤) | (例:完了) | (例:Sprint 45から全PRに適用。レビュー時間が平均20%短縮) |
| (例:キャパシティ計画書の整備) | (例:田中) | (例:完了) | (例:Sprint 45から運用開始。計画超過なし) |
| (例:デイリースタンドアップのタイムキーパー導入) | (例:鈴木) | (例:完了) | (例:全員がタイムキーパーを持ち回りで担当。15分以内を継続達成) |
英語版テンプレート(コピペOK)
Sprint Information
| Item | Details |
| Sprint Number | (e.g., Sprint 45) |
| Period | (e.g., September 15–26, 2026) |
| Facilitator | (e.g., Tanaka) |
| Attendees | (e.g., Tanaka, Sato, Suzuki, Yamada) |
| Date & Time | (e.g., September 26, 2026, 17:00–18:00) |
KPT Retrospective
Keep (What worked well)
| No. | Item | Raised By |
| 1 | (e.g., The daily standup stays under 15 minutes. Everyone shares completed tasks and blockers concisely.) | (e.g., Tanaka) |
| 2 | (e.g., Since adopting the PR template, reviewers can quickly understand context and provide focused feedback.) | (e.g., Sato) |
| 3 | (e.g., Reviewing availability during sprint capacity planning has reduced over-commitment.) | (e.g., Suzuki) |
Problem (What didn’t work / Stop doing)
| No. | Item | Raised By |
| 1 | (e.g., Testing gets concentrated in the second half of the sprint, creating a QA bottleneck every time. We need to design for testability earlier.) | (e.g., Suzuki) |
| 2 | (e.g., Low attendance at backlog refinement means estimate rationale isn’t always shared during sprint planning.) | (e.g., Yamada) |
| 3 | (e.g., Too many notifications in #general make important updates easy to miss.) | (e.g., Sato) |
Try (What to try next sprint)
| No. | Item | Raised By |
| 1 | (e.g., Add a QA checkpoint to each story and enforce a rule: testable state by day 5 of the sprint.) | (e.g., Suzuki) |
| 2 | (e.g., Share the backlog refinement agenda the day before to improve attendance.) | (e.g., Tanaka) |
| 3 | (e.g., Restructure Slack channels and consolidate important alerts into #dev-alerts.) | (e.g., Yamada) |
Retrospective Summary
| Item | Details |
| One-line Sprint Assessment | (e.g., Planning accuracy improved, but the QA bottleneck remains an ongoing challenge.) |
| Team Health (1–5) | (e.g., 4 — Everyone understood the goal and collaboration was strong.) |
| Biggest Learning This Sprint | (e.g., Front-loading testability into the design phase needs to happen at the planning stage, not during implementation.) |
Action Items
| No. | Action | Owner | Due | Priority |
| 1 | (e.g., Add a QA checkpoint column to Jira and start using it from Sprint 46.) | (e.g., Suzuki) | (e.g., Sep 30) | (e.g., High) |
| 2 | (e.g., Share the backlog refinement agenda on Slack every Tuesday.) | (e.g., Tanaka) | (e.g., From next refinement) | (e.g., Medium) |
| 3 | (e.g., Draft a new Slack channel structure proposal and present it to the team.) | (e.g., Yamada) | (e.g., Oct 2) | (e.g., Medium) |
Previous Action Check-in
| Previous Action | Owner | Status | Comment |
| (e.g., Introduce PR template) | (e.g., Sato) | (e.g., Done) | (e.g., Applied to all PRs since Sprint 45. Average review time reduced by ~20%.) |
| (e.g., Set up capacity planning document) | (e.g., Tanaka) | (e.g., Done) | (e.g., In use since Sprint 45. No over-commitment.) |
| (e.g., Rotate timekeeper role in daily standup) | (e.g., Suzuki) | (e.g., Done) | (e.g., Rotating among all members. Under 15 minutes achieved consistently.) |
各セクションの書き方と例文
テンプレートを埋めるときに悩みやすいポイントを解説する。
KPTの各項目の使い分け
KPT(Keep / Problem / Try)はもっとも広く使われるレトロスペクティブのフレームワークだ。KeepとTryは肯定的な言葉で書くと前向きな議論になる。Problemは「誰かのせい」ではなく「プロセスの課題」として書くのがポイントだ。
| 日本語 | 英語 |
| 続けること | Keep — what worked well |
| 問題・やめること | Problem — what didn’t work / stop doing |
| 試すこと | Try — what to try next sprint |
| 提案者 | Raised by |
| プロセスの課題として書く | Frame as a process issue, not a personal failure |
アクションアイテムの書き方
アクションアイテムは「誰が」「何を」「いつまでに」の3点を必ず記入する。「改善する」「見直す」では次のレトロスペクティブで完了を確認できない。「〇〇をJiraに追加し、Sprint △から運用開始」のように具体的な動詞と期限で書く。
| 日本語 | 英語 |
| 担当者を決める | Assign an owner |
| 期限を設ける | Set a due date |
| 次のスプリントで確認する | Review at the next retrospective |
| 優先度:高 | Priority: High |
| 完了 / 未完了 | Done / Not Done |
スプリントバーンダウンとの連携は英語スプリントバーンダウンの書き方でも確認してほしい。
レトロスペクティブでよく使う英語表現
実務でよく使う英語表現を場面別にまとめた。
ファシリテーションフレーズ
| 日本語 | 英語 |
| 今スプリントで良かったことを教えてください | What went well this sprint? |
| 問題だったことや止めたいことはありますか | What didn’t work? What should we stop doing? |
| 次のスプリントで試したいことはありますか | What would you like to try next sprint? |
| アクションを1つに絞りましょう | Let’s focus on one action item. |
| 担当者と期限を決めましょう | Let’s assign an owner and a due date. |
前回アクションの確認フレーズ
| 日本語 | 英語 |
| 前回のアクションアイテムを確認しましょう | Let’s check in on last sprint’s action items. |
| こちらは完了しましたか? | Has this been completed? |
| 完了しました。効果はありましたか? | It’s done. Did it help? |
| まだ進行中です | It’s still in progress. |
| 次のスプリントに持ち越します | We’ll carry this over to the next sprint. |
振り返りの基本用語
| 日本語 | 英語 |
| レトロスペクティブ | Retrospective / Retro |
| KPT | KPT (Keep / Problem / Try) |
| アクションアイテム | Action Item |
| ファシリテーター | Facilitator |
| チームの健康状態 | Team Health |
| 前回の振り返り | Previous Retrospective |
| 改善サイクル | Improvement Cycle |
日報・週報との連携は英語日報・週報の書き方でも確認してほしい。
まとめ:英語スプリントレトロスペクティブは4つのセクションで完成する
英語スプリントレトロスペクティブに必要な構成要素を整理した。
- KPT振り返りはKeep・Problem・Tryの3列で書き、Problemは「プロセスの課題」として前向きな言葉で表現する
- 振り返りサマリーはスプリントの一言評価・チームの健康状態・最大の学びを記録し、次のスプリントへの橋渡しとする
- アクションアイテムは「誰が」「何を」「いつまでに」の3点を必ず書き、次のレトロスペクティブで完了を確認できる状態にする
- 前回アクションのチェックインは完了/未完了と効果のコメントをセットで記録し、改善サイクルが機能しているかを全員で確認する
テンプレートをコピーして、まずKeepを3つ書き始めてほしい。「良かったこと」から始めることでチームの雰囲気が前向きになり、Problemの議論もしやすくなる。
コメント