英語でOKRを書くよう求められたとき、ObjectiveとKey Resultsをどう分けて書けばいいか迷った経験はないだろうか。
OKR(Objectives and Key Results)はGoogleやメタが採用してから世界中のIT企業に広まった目標管理フレームワークだ。2つの原則(Objectiveは定性・KRは定量)さえ押さえれば、英語でも問題なく書ける。
この記事では、英語OKRに必要な4つの構成要素と、そのまま使える日英テンプレートを紹介する。コピペして使えばすぐに次のクォーターで活用できる。
OKRに必要な4つの構成要素
OKR(Objectives and Key Results:目標と主要成果)はシンプルな構造を持つ。以下の4つが標準的な構成要素になる。
- 目標(Objective)
- 主要成果(Key Results)
- 期間・担当(Period & Owner)
- 進捗状況(Progress)
KPIとOKRの違い
KPIは「維持すべき指標」を追跡する。売上・稼働率・顧客満足度など、現状を守るための数字だ。一方、OKRは「チャレンジすべき変化」を定義する。現状の110〜130%を目指すため、達成率60〜70%でも成功とみなすのが原則になる。
「満点を取るために設計する指標」と「ストレッチするために設計する指標」という違いを理解すると書き分けやすい。
なぜ英語で書くのか
グローバルチームでは個人・チームのOKRが英語で一元管理される。英語で書くことで、海外メンバーやステークホルダーも同じ方向を向いて動けるようになる。日本語で設定したOKRを英訳するより、最初から英語の型で書いたほうが認識のずれが少ない。
OKRの議論フレーズはエンジニアの英語OKR議論術でも確認してほしい。
テンプレートをダウンロード(Word)
以下のWordファイルをダウンロードして、プロジェクトに合わせてカスタマイズして使ってほしい。表の列・行はそのまま追加・削除できる。
📥 日本語テンプレートをダウンロード(Word)
📥 Download English Template (Word)
日本語版テンプレート(コピペOK)
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象クォーター | (例:2026年 Q3(7月〜9月)) |
| チーム/個人 | (例:バックエンドチーム / 山田 太郎) |
| 上位のOKR(紐づき) | (例:プロダクトOKR「決済体験の信頼性をトップクラスにする」) |
Objective(目標)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Objective | (例:決済システムの信頼性をエンジニアリング観点でリードする) |
| 設定の意図 | (例:現在の信頼性指標は業界水準を下回っており、Q3中に逆転を目指す) |
| 達成したときのイメージ | (例:障害発生時でも「あのチームに任せれば大丈夫」と言われる状態) |
Key Results(主要成果):3〜5個
| # | Key Result | 測定方法 | 現在値 | 目標値 |
|---|---|---|---|---|
| KR1 | (例:決済APIのp99レイテンシを300msから150ms以下に改善する) | Datadogダッシュボード | 300ms | 150ms |
| KR2 | (例:インシデント発生率(月次)を5件から1件以下に削減する) | インシデント管理ツール | 5件/月 | 1件/月 |
| KR3 | (例:ポストモーテムの実施率を50%から100%にする) | Confluenceのポストモーテムページ | 50% | 100% |
進捗状況(週次・月次更新)
| KR | 現在の達成率 | 今週のハイライト | ブロッカー |
|---|---|---|---|
| KR1 | (例:40%) | (例:クエリ最適化でp99が250msに改善) | (例:なし) |
| KR2 | (例:60%) | (例:アラート閾値の見直しで早期検知が改善) | (例:依存する外部API起因のインシデントが含まれるため要除外判断) |
| KR3 | (例:80%) | (例:今週のインシデント2件のポストモーテムを完了) | (例:なし) |
英語版テンプレート(コピペOK)
Basic Info
| Item | Details |
|---|---|
| Quarter | (e.g., Q3 2026 (July – September)) |
| Team / Individual | (e.g., Backend Team / Taro Yamada) |
| Parent OKR | (e.g., Product OKR: “Make our payment experience the most reliable in the market.”) |
Objective
| Item | Details |
|---|---|
| Objective | (e.g., Lead the payment system to industry-leading reliability from an engineering perspective.) |
| Intent | (e.g., Our reliability metrics are below industry benchmarks; we aim to surpass them by end of Q3.) |
| Definition of Success | (e.g., When an incident happens, stakeholders say, “That team has it covered.”) |
Key Results (3–5 items)
| # | Key Result | How to Measure | Current | Target |
|---|---|---|---|---|
| KR1 | (e.g., Reduce payment API p99 latency from 300ms to under 150ms.) | Datadog dashboard | 300ms | 150ms |
| KR2 | (e.g., Reduce monthly incidents from 5 to 1 or fewer.) | Incident management tool | 5/month | 1/month |
| KR3 | (e.g., Achieve 100% post-mortem completion rate (up from 50%).) | Confluence post-mortem page | 50% | 100% |
Progress (Update Weekly or Monthly)
| KR | Current Progress | This Week’s Highlight | Blockers |
|---|---|---|---|
| KR1 | (e.g., 40%) | (e.g., Query optimization brought p99 to 250ms.) | (e.g., None) |
| KR2 | (e.g., 60%) | (e.g., Revised alert thresholds improved early detection.) | (e.g., Incidents caused by an external API need to be excluded — decision pending.) |
| KR3 | (e.g., 80%) | (e.g., Completed post-mortems for 2 incidents this week.) | (e.g., None) |
各セクションの書き方と例文
テンプレートを埋めるときに悩みやすいポイントを解説する。
Objectiveの書き方(定性・鼓舞する言葉で)
Objectiveは数字を入れない。「なぜこれを目指すのか」「達成したらどんな状態になるか」が伝わる言葉で書く。チームが「やってみたい」と感じる鼓舞型の表現が理想だ。
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 〇〇をリードする存在になる | Become the go-to team for [X]. |
| 〇〇の体験をトップクラスにする | Make [X] experience best-in-class. |
| 〇〇に関して信頼されるチームになる | Build a reputation as the most reliable team for [X]. |
| 〇〇の課題を根本から解決する | Solve the root cause of [X]. |
| 〇〇を次のレベルに引き上げる | Take [X] to the next level. |
Key Resultsの書き方(測定可能・ストレッチ)
Key Resultsは「達成した・していない」を数字で判断できる形で書く。「改善する」「強化する」といった動詞だけでは測定できないため、必ず数値を入れる。また、100%達成が確実な目標はKRではなくタスクになる。
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 〇〇をX%改善する | Improve [metric] by X%. |
| 〇〇をX件以下に削減する | Reduce [metric] to X or fewer. |
| 〇〇の達成率をX%にする | Achieve an X% [metric] rate. |
| 〇〇からXまで引き上げる | Increase [metric] from [current] to [target]. |
| 〇〇を100%完了する | Complete [X] at a 100% rate. |
プロダクトの優先順位を定義するPRDは英語PRDの書き方でも確認してほしい。
OKRでよく使う英語表現
実務でよく使う英語表現を場面別にまとめた。
OKR・目標管理の基本用語
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 目標と主要成果 | Objectives and Key Results (OKR) |
| ストレッチ目標 | Stretch Goal |
| 親OKR(上位) | Parent OKR |
| 子OKR(下位) | Child OKR / Aligned OKR |
| 達成率 | Completion Rate / Confidence Level |
| チェックイン | Check-in |
| 四半期 | Quarter (Q1/Q2/Q3/Q4) |
| ミッドクォーターレビュー | Mid-Quarter Review |
OKRレビュー・振り返りのフレーズ
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| KR1の達成率は60%です | We’re at 60% on KR1. |
| このKRは緑・黄・赤です | This KR is on track / at risk / off track. |
| 来週中にX%に到達する見込みです | We expect to reach X% by end of next week. |
| ブロッカーがあります | We have a blocker. |
| 目標値を調整すべきか確認したいです | I’d like to discuss whether we should revise the target. |
技術ロードマップとの紐づけ方は英語技術ロードマップの書き方でも参考にしてほしい。
まとめ:英語OKRはObjective(定性)+Key Results(定量)で完成する
英語OKRに必要な構成要素を整理した。
- Objectiveは数字を使わず「鼓舞する定性目標」で書く
- Key Resultsは「現在値→目標値」の形で3〜5個の測定可能な指標にする
- 達成率60〜70%で設計するのがストレッチOKRの原則
- 進捗は週次・月次でチェックインし「達成率+ブロッカー」を共有する
テンプレートをコピーして、まずKR1だけ書いてみることを勧める。「どの数字が動けばObjectiveが達成されるか」という問いへの答えがKey Resultsになる。


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