英語でスプリントレビューを進めるよう求められたとき、何をどの順序で記録すればいいか迷った経験はないだろうか。
スプリントレビュー(Sprint Review)はスプリントで完成した成果物をステークホルダーに示し、フィードバックを受け取るセレモニーだ。デモ結果・フィードバック・バックログ更新・次スプリントへの方針の4つの構成要素さえ押さえれば、英語でも問題なく進行できる。
この記事では、英語スプリントレビューに必要な4つの構成要素と、そのまま使える日英テンプレートを紹介する。コピペして使えばすぐに次のスプリントレビューで活用できる。
スプリントレビューに必要な4つの構成要素
スプリントレビュー(Sprint Review)はスクラムの4つのセレモニーのひとつだ。Scrum Guideでは「スプリントの成果を検査し、将来の適応を決定する」と定義されている。以下の4つが実務で使いやすい構成要素になる。
- スプリント概要(Sprint Overview)
- デモ結果・完了アイテム(Demo & Completed Items)
- ステークホルダーフィードバック(Stakeholder Feedback)
- バックログ更新・次スプリントの方針(Backlog Update & Next Sprint Direction)
スプリントレビューとスプリントレトロスペクティブの違い
スプリントレトロ(Retro)はチーム内部のプロセス改善を話し合うセレモニーだ。スプリントレビューはステークホルダーを招いて成果物を確認するセレモニーで、外向きのコミュニケーションが中心になる。両者を混同するとステークホルダーへの情報共有が遅れる。
なぜ英語で記録するのか
グローバルチームでは、日本オフィス・海外拠点・リモートメンバーが同じスプリントに参加する。英語でレビュー記録を残すことで、参加できなかったステークホルダーが後から成果物とフィードバックを正確に把握できる。
スプリント計画書との連携は英語スプリント計画書の書き方でも確認してほしい。
テンプレートをダウンロード(Word)
以下のWordファイルをダウンロードして、プロジェクトに合わせてカスタマイズして使ってほしい。表の列・行はそのまま追加・削除できる。
📥 日本語テンプレートをダウンロード(Word)
📥 Download English Template (Word)
日本語版テンプレート(コピペOK)
スプリント概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| スプリント番号 | (例:Sprint 42) |
| 期間 | (例:2026年8月3日〜2026年8月14日) |
| スクラムマスター | (例:田中) |
| プロダクトオーナー | (例:鈴木) |
| 参加ステークホルダー | (例:山田(VP Engineering)・営業チームリード) |
| スプリントゴール | (例:決済フローのレスポンスタイムを50%改善し、ユーザーの離脱率を下げる) |
| ゴール達成状況 | (例:達成 / 部分達成 / 未達成) |
デモ結果・完了アイテム
| チケットID | タイトル | SP | 状態 | デモ実施 |
|---|---|---|---|---|
| (例:PAY-101) | (例:決済APIのクエリを最適化する) | (例:8) | (例:完了) | (例:済) |
| (例:PAY-102) | (例:不要なAPIコールをキャッシュで削減する) | (例:5) | (例:完了) | (例:済) |
| (例:PAY-103) | (例:決済フローのE2Eテストを追加する) | (例:3) | (例:完了) | (例:済) |
| (例:PAY-104) | (例:管理画面の決済ログUIを改善する) | (例:5) | (例:未完了・次スプリントへ) | (例:なし) |
| 合計 | (例:16/21SP) |
未完了アイテムの理由:(例:PAY-104 はUI設計のレビューに想定以上の時間がかかったため次スプリントに持ち越し)
ステークホルダーフィードバック
| フィードバック | 種別 | 対応方針 |
|---|---|---|
| (例:決済完了画面のローディング表示がわかりにくい) | (例:UX改善) | (例:次スプリントでバックログに追加) |
| (例:モバイルでの決済成功率の数値を週次レポートに含めてほしい) | (例:新規要望) | (例:PMがプロダクトバックログに追加し優先順位を決める) |
| (例:エラーメッセージが英語のまま。日本語化してほしい) | (例:バグ修正) | (例:P2として次スプリントのバックログに追加) |
全体評価:(例:ステークホルダーからは決済速度の改善を高く評価された。UIのフィードバックが複数あり、次スプリントの優先度を調整する。)
バックログ更新・次スプリントの方針
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| バックログへの追加アイテム | (例:決済完了画面のローディング改善 / エラーメッセージの日本語化 / 週次レポートへの指標追加) |
| 次スプリントへの持ち越しアイテム | (例:PAY-104(管理画面の決済ログUI改善)) |
| 次スプリントのゴール候補 | (例:モバイル決済のUX改善と日本語エラーメッセージ対応) |
| プロダクトバックログの変更点 | (例:フィードバックを踏まえてUI改善チケット3件を上位に移動) |
英語版テンプレート(コピペOK)
Sprint Overview
| Item | Details |
|---|---|
| Sprint Number | (e.g., Sprint 42) |
| Duration | (e.g., August 3 – August 14, 2026) |
| Scrum Master | (e.g., Tanaka) |
| Product Owner | (e.g., Suzuki) |
| Stakeholders Present | (e.g., Yamada (VP Engineering), Sales Team Lead) |
| Sprint Goal | (e.g., Reduce checkout flow response time by 50% to decrease user drop-off.) |
| Goal Status | (e.g., Achieved / Partially Achieved / Not Achieved) |
Demo & Completed Items
| Ticket ID | Title | SP | Status | Demo |
|---|---|---|---|---|
| (e.g., PAY-101) | (e.g., Optimize payment API queries) | (e.g., 8) | (e.g., Done) | (e.g., Yes) |
| (e.g., PAY-102) | (e.g., Reduce redundant API calls with caching) | (e.g., 5) | (e.g., Done) | (e.g., Yes) |
| (e.g., PAY-103) | (e.g., Add E2E tests for checkout flow) | (e.g., 3) | (e.g., Done) | (e.g., Yes) |
| (e.g., PAY-104) | (e.g., Improve payment log UI in admin panel) | (e.g., 5) | (e.g., Not done — carry over) | (e.g., No) |
| Total | (e.g., 16 / 21 SP) |
Reason for incomplete items: (e.g., PAY-104 required more UI design review time than estimated and will be carried over to the next sprint.)
Stakeholder Feedback
| Feedback | Type | Action |
|---|---|---|
| (e.g., The loading indicator on the payment completion screen is unclear.) | (e.g., UX improvement) | (e.g., Add to backlog for next sprint.) |
| (e.g., Please include the mobile payment success rate in the weekly report.) | (e.g., New request) | (e.g., PM will add to product backlog and prioritize.) |
| (e.g., Error messages are still in English. Please localize to Japanese.) | (e.g., Bug fix) | (e.g., Add as P2 to next sprint backlog.) |
Overall Assessment: (e.g., Stakeholders appreciated the improvement in payment speed. Multiple UI feedback items were raised; the next sprint priorities will be adjusted accordingly.)
Backlog Update & Next Sprint Direction
| Item | Details |
|---|---|
| Items Added to Backlog | (e.g., Loading indicator improvement / Japanese error message localization / Weekly report metric addition) |
| Carry-Over Items | (e.g., PAY-104 (Improve payment log UI in admin panel)) |
| Candidate Sprint Goal | (e.g., Improve mobile payment UX and localize error messages to Japanese.) |
| Product Backlog Changes | (e.g., Moved 3 UI improvement tickets to higher priority based on stakeholder feedback.) |
各セクションの書き方と例文
テンプレートを埋めるときに悩みやすいポイントを解説する。
デモの進め方(成果物を動かして見せる)
スプリントレビューのデモはスライドではなく、実際に動く成果物を見せる。APIのレスポンスタイム改善なら数値とグラフ、UIの改善なら変更前後の比較を見せる。
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 今スプリントで完成したものをデモします | Let me walk you through what we completed this sprint. |
| こちらが変更前後の比較です | Here is a before-and-after comparison. |
| この変更によりP95レスポンスが800msから400msになりました | This change reduced P95 response time from 800ms to 400ms. |
| 質問はありますか? | Do you have any questions? |
フィードバックの記録(具体的なアクションで書く)
「要検討」「確認する」では次のアクションが曖昧になる。「PMが次スプリント計画前にバックログの優先度を更新する」のように担当者と期限を明確にする。
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| バックログに追加します | We will add this to the backlog. |
| 次スプリントで優先します | We will prioritize this for the next sprint. |
| 詳細をオフラインで確認します | We will follow up on the details offline. |
| 次回のレビューで進捗を報告します | We will report progress in the next review. |
チームの合意事項の管理は英語チームチャーターの書き方でも確認してほしい。
スプリントレビューでよく使う英語表現
実務でよく使う英語表現を場面別にまとめた。
スプリントレビューの基本用語
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| スプリントレビュー | Sprint Review |
| 完了の定義 | Definition of Done (DoD) |
| デモ | Demo / Demonstration |
| ステークホルダー | Stakeholder |
| フィードバック | Feedback |
| 持ち越しアイテム | Carry-Over Item |
| プロダクトインクリメント | Product Increment |
| ベロシティ | Velocity |
| アクションアイテム | Action Item |
| バックログリファインメント | Backlog Refinement |
スプリントレビューミーティングでのフレーズ
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 今スプリントのゴールは達成できました | We achieved the sprint goal for this sprint. |
| このアイテムは完了の定義を満たしています | This item meets our Definition of Done. |
| このフィードバックをバックログに追加します | We will add this feedback to the backlog. |
| 次スプリントのゴール候補はこちらです | Here is the candidate goal for the next sprint. |
| このアイテムは次スプリントに持ち越します | We will carry over this item to the next sprint. |
| ステークホルダーの承認を得ましたか? | Have we received stakeholder sign-off? |
技術ロードマップとの連携は英語技術ロードマップの書き方でも確認してほしい。
スプリントレビューでバーンダウンレポートを提示する際は英語スプリントバーンダウンレポートの書き方のベロシティ記録テンプレートも参考にしてほしい。完了ポイントと持ち越し理由を整理しておくことでレビューの議論がスムーズになる。
スプリントレビューの準備として週報の完了タスクを活用する方法は英語日報・週報の書き方でも確認してほしい。週次で記録した完了内容とブロッカーをまとめておくことでレビューの準備時間を大幅に短縮できる。
スプリントレビューの後に行うレトロスペクティブの運営方法は英語スプリントレトロスペクティブの書き方で確認してほしい。レビューで出たフィードバックをレトロのProblemに持ち込むことでチームの改善サイクルが加速する。
まとめ:英語スプリントレビューは4つのセクションで完成する
英語スプリントレビューに必要な構成要素を整理した。
- スプリント概要はゴールと達成状況をセットで記録し、スプリントの成否を一目でわかるようにする
- デモ結果は完了・未完了を明示し、未完了の理由を1行で記録する
- フィードバックは種別(UX改善・新規要望・バグ修正)と対応方針を具体的に書く
- バックログ更新は担当者を明記し、次スプリントのゴール候補まで合意する
テンプレートをコピーして、まず「スプリントゴールの達成状況」から書き始めてほしい。この1行が明確になれば、ステークホルダーとの議論が整理しやすくなる。


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